病院における医療サービスの質保証、質改善については、近年ますます関心が高まっています。
患者の権利尊重とその時代的背景、医療事故に関する新聞報道などによって、医療に対する社会の厳しい批判が行われるようになり、特に医療サービスの提供を 中心的に担っている病院施設は、積極的に質改善の道を模索し始めています。特に看護サービスの質は、患者の回復に大きく影響しており、一人あたりの看護師 の数が多いことや訓練を受けた質の高い看護師がいることは、医療事故の回避、手術後の合併症の予防、回復の早さなどに関与するといわれています。
「Web版看護ケアの質評価総合システム」は、1993年に開始された「看護ケアの質評価に関する研究班」によって開発された看護ケアの質評価ツールを自己評価版に改変したものを用い、 インターネットのWebサイトから直接評価項目(質問)に回答していただいて、評価結果を病棟単位および病院単位でフィードバックするシステムです。
研究によって抽出された看護の質を決定する重要な要素毎に評価項目が設定されており、「構造」、「過程」、「結果」という質評価の概念枠組みを採用しておりますので、分析の結果を「改善」につなぐこ とができます。これは、看護ケアの質を評価するだけではなく、質改善(QI ;Quality Improvement) を強く意識したプログラムです。
入力していただいたデータはデータベースに蓄積され、統計処理されたあと、看護ケアの質を改善するための新しい情報として分析し、公表、提供されることがあります。 |